13:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:25:15.01 ID:LAMqFbcL0
「おーい、猫ちゃんたち、エサだよー」
隣のビルからスーツ姿の男の人がエサやらなにやら抱えて出てくる。
言い終わるか言い終わらないかといううちに、残りのねこチャンたちもパタパタとその人の方へ駆けていった。
14:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:26:20.05 ID:LAMqFbcL0
エサの用意を終えたお兄さんがこちらに気づく。
「こんにちは、今日も来てたんだね」
「はい! ここのねこチャンたちに会いたくて」
15:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:27:41.67 ID:LAMqFbcL0
昔からねこチャンが大好きだったみくも、野良猫にエサをやりたいな、って思ったことは何度もある。
でも、お母さんとお父さんにダメだよ、って言われて「なんでなんで」って泣いたこともあったっけ。
そんな私に、野良猫の面倒を見るってどういうことか、懇々と説明してくれたお母さんとお父さん。
ちょっと餌をやるだけ、っていう関わり方がどれだけ無責任で、どれだけねこチャンを不幸にするのか。
16:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:29:15.26 ID:LAMqFbcL0
「……さて、帰ろうかな」
野良猫のお兄さんが来ると、ねこチャンたちはこっちには見向きもしないしね。
お世話を頑張ってるお兄さんの邪魔も出来ないし。
17:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:30:05.97 ID:LAMqFbcL0
オーディション当日。
今日こそ絶対、絶対いけるはず!
「では、1番の方」
18:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:31:30.95 ID:LAMqFbcL0
結局、今日のオーディションも惜しいとこまでいったけど不合格だった。
そして、合格したのはあの変な子? だった。
「自分から一番カワイイとか、強烈というか、なんというか……うん、変な子にゃ!」
19:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:32:32.03 ID:LAMqFbcL0
「フフーン、プロデューサーさん、見事合格しましたよ。ま、ボクのカワイさをもってすれば当然ですけどね!」
え、ええ、素であんなこと言ってるんだ。
なんていうか、す、凄い……。
20:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:33:58.80 ID:LAMqFbcL0
数日後、オーディションの結果を受けていつものミーティング。
「あー、前川さん、今回も――」
「でも、今回も前よりいい結果だったにゃ、だから――」
21:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:35:19.82 ID:LAMqFbcL0
「猫キャラはもうやめません?」
22:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:36:18.62 ID:LAMqFbcL0
「……え?」
「正直、今の時代に猫キャラは古いんですよ。寒いっていうか……。まあ、前川さんも頑張ってるみたいですけどね。うーん、キリン、キリンとかくるんじゃないですかね?」
「で、でもっ! みくはねこチャンアイドルとして頑張ろうって決めて、結果も出始めていて……!」
23:名無しNIPPER[saga]
2016/07/08(金) 00:37:08.79 ID:LAMqFbcL0
とぼとぼと帰ってきて布団に倒れ込む。
みくは、ねこチャンとして頑張りたくて。
だから、どう頑張ればいいか、それを教えてほしかった。
43Res/28.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。