過去ログ - 【モバマスss】「今ならこの眼も、好きになれる気がするんです」
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15: ◆Xz5sQ/W/66[saga sage]
2016/07/10(日) 20:55:18.90 ID:m4cK6Isi0

 ぐらり、再び良心に傾きかけた私の心の天秤を釣り合わそうと、必死の形相で悪魔が叫ぶ。

『お、おいおいおい! 何ひよってんだおめぇ!? バカっ! 
 獲物が腹見せて転がってるっていうのによぉ! 据え膳食わねばなんとやらだぜぇっ!?』

(分かってる、分かってはいる! 千載一遇のこのチャンス、
 男ならばこの握った箸を思い切り、出された膳に突き立てたい、突き立ててみたい――がっ!)


「武士は食わねど高楊枝っ! しでかしてしまった時のことを考えると、その時はあまりにも居たたまれないっ!」


 振り下ろされた拳が音をたて、テーブルの上の料理の皿が盛大に鳴る!
 
 ガシャンと鳴った大きな音で、ハッと我に返った時にはもう遅い。
 
 私たちの座る席には店内中の視線が向けられて、そんな中、唖然とした顔で私を見つめる楓さん。
 
 血の気が引くとはまさにこのこと。
 きっとその時の私の顔は、この世の何よりも青かったに違いない。



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