過去ログ - 魔法使い「勇者愛してる」魔王「魔法使い愛してる」
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42: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 01:25:29.05 ID:M+3Ego/D0
−−−

母「さぁ、たんと召し上がれ。」

勇者「…うん、やっぱり美味しい。」もぐもぐ
以下略



43: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 01:29:20.01 ID:fI1efZjyO
母の腕は、優しく…そして力強く勇者を包み込んだ。
そこに恥ずかしさなんてなかった。
人類最強の勇者が?
19歳にもなった男が?
そんなの関係ない。
以下略



44: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 01:29:55.09 ID:fI1efZjyO
母「私がどんなに止めたって、あなたは最後まで戦うんでしょう?あなたは昔から正義感の強い子だったものね。」

母「だったら…私にできる事はひとつ。母として、あなたの行く末を見守り…あなたがどんな道を進んだとしても、それを信じる事。」

勇者「…うん。俺、頑張るよ。母さんに話したい事、いっぱいあるんだ。南の国が焼けるように暑かった事、西の国の湖が綺麗だった事、北の国の山が険しかった事、戦士はいつも酒ばっか飲んでて、酔ったら面倒くさいしいびきがうるさい事、僧侶はドジですぐに転ぶくせに、他人の心配ばっかりしてお節介焼きな事…」
以下略



45: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 01:33:07.70 ID:fI1efZjyO
−−−

【東の王都・光の広場】

ガヤガヤ…
以下略



46: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 01:36:24.38 ID:fI1efZjyO
勇者「…まず先に、謝っておかねばなりません。戦士と僧侶は…魔王との戦いで命を落としました。」

男「や、やっぱり亡くなられてたんだな…。」

女「まだお2人共若かったのに…。」
以下略



47: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 01:37:20.01 ID:fI1efZjyO
勇者「魔王の力は想像を遥かに上回るものでした…。正直、全くの別次元と言ってもいい。恥ずかしながら、俺達は魔王に傷1つ付ける事すら叶わず敗れました。」

魔法使い「私達の力不足は否めませんが、それでも四天王をはじめとした他の魔族達は圧倒する事ができました。魔王の側近にもそれ程苦戦はしませんでした。魔王だけが…あまりにも桁外れで途方もない力を有していたのです。」

勇者「そして、俺達は戦いに敗れた後、魔王本人からその力の秘密を聞かされました。魔王は…いえ、魔族は自分に向けられた負の感情を糧としているのです。」
以下略



48: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 01:38:08.35 ID:fI1efZjyO
男「なんだと…俺達が魔王を強くしてしまっていたというのか…」

女「し、仕方ないわよ…そんな仕組み、誰も知りやしなかったもの。」

魔法使い「…考え得る策は2つ。1つは、世界規模の精神魔法で一時的に人々の意識を遮断し、魔王への負の感情の流入を止めるというものです。極めて難度が高いこの魔法を完成させるべく、王は世界中の魔導機関に連絡を取り研究を要請して下さるそうです。」
以下略



49: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 01:39:00.87 ID:fI1efZjyO
魔法使い「…正直、どちらの作戦も成功率が高いとは言えません。ですが、他の打開策は恐らく存在しません。一握りでも希望があるならば、私はそれに賭けたいと思います。」

勇者「俺は…この世界が好きです。この世界に生きる、皆さんが好きです。そんな世界が…滅んでしまうなんて耐えられない。仲間の死だって、無駄にはしたくない。」

勇者「だから…皆さん、どうか諦めないで下さい。希望を捨てないで下さい。それがきっと…魔王を倒す事へと繋がるはずです。」
以下略



50: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 02:27:29.96 ID:M+3Ego/D0
−−−

…それから1年。
勇者と魔法使いはかつての旅をなぞるかのように各地を巡り、そこに住まう民を集めては演説をして回った。

以下略



51: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 02:28:00.17 ID:M+3Ego/D0
勇者「…久しぶりに笑った気がする。」

魔法使い「ええ…本当に。」

勇者「…俺達って、皆で旅してる時はいつもこうだったよな。」
以下略



52: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 02:28:29.98 ID:M+3Ego/D0
魔法使い「それにしても立派な墓よねー。もっとお菓子たくさん持ってくればよかったかしら?ドーナッツだけじゃ不釣り合いじゃない?」

勇者「お前が僧侶の為に用意した物なら、きっと何だって喜んでくれるさ。」

魔法使い「えへへ、まぁあの子お人好しだからねー。でも、流石に1年も待たせた事は怒ってたりして?」
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