13:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 07:56:08.32 ID:eZZIg7j+0
武内「……ッ!!」
高木「どうしたんだ? 凛」
凛「条件付けしてみる? たくさん」
高木「お前――」
凛「分かってるよ」
凛「でも、他の娘が……」
武内「……」
凛「他の娘が、もう……」
高木「凛……」
凛「もう、食べ物の味も感じられなくて、担当官の名前も覚えられないって……」
凛「ねえ、私も近い内にそうなっちゃうんでしょ……?」
凛「分かってるし、受け入れてるけど……」
凛「ごめんね、ちょっと一人にさせて――」
高木「あ、待ってくれ凛!」
武内「……」
義体「……」
高木「いやー、お見苦しいところを……。ごめん」
武内「いえ……」
高木「ちょうどそこを通りかかったからさ、どんな調子かなーと思って」
武内「高木さん……」
武内「彼女を追わなくてもいいんですか?」
高木「大丈夫。あいつが行く場所くらい把握してる」
武内「長い付き合い――ということですか?」
高木「ああ」
高木「気丈に振る舞っているけど、内心はあんなふうに臆病なんだよ……。あいつは」
高木「あいつのこれからの運命を考えれば、その恐怖が計り知れないのは分かっているけど」
武内「条件付けで制御しよう――というわけではないようですね」
高木「ああ。俺は過度な条件付けには反対している」
高木「君も既に説明を受けたと思うけど」
高木「ただでさえ短命な義体の命を更に縮めてしまう」
高木「ただ……担当官によっては自分の都合のいいように行う者もいるんだ」
高木「まるで人形のように……!」
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