32: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 18:52:31.40 ID:N7BH6Wdqo
梨子 「……うるせえ、クラゲ!」
梨子 「言いやがったな、このヒトデナシ!」
梨子 「ヒトデじゃねえ、クラゲだ!」
33: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 18:53:51.07 ID:N7BH6Wdqo
梨子 「どうやって見せてもらえっていうのよ!」
梨子 「人間のままでは恥ずかしいなら、クラゲになって行けばいいじゃない」
なるほど、たしか家には、大きな半透明のビニール傘があったな。
34: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 18:54:37.14 ID:N7BH6Wdqo
最近気づいたのだが、千歌ちゃんの家は私の家のすぐ近くらしい。
そこで私は、次の日の下校中、千歌ちゃんと曜ちゃんを尾行することにした。
千歌ちゃんが曜ちゃんと別れたあとで、私はかねて用意していた「クラゲ傘」をさして、自分の姿を隠した。
不審者以外の何者でもない姿で、私は千歌ちゃんの肩を背後からぽんと叩いて、声色を変えて話しかけた。
35: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 18:55:53.47 ID:N7BH6Wdqo
千歌 「へー、言われてみれば、たしかにその大きい傘はクラゲに似てますね。
でも私、クラゲを助けたことなんてあったかな。
海でおなかを刺されたことはあるけどなあ……」
怪人クラゲ女「マア、細カイコトハ、コノ際ドウデモヨイノデス。
36: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 18:56:47.09 ID:N7BH6Wdqo
怪人クラゲ女「ソンナワケデ、チョット私ガ拝見シテモ構イマセンカ」
千歌 「ええ、まあいいですけど」
そう言うと千歌ちゃんは、カバンの中をごそごそと探しはじめた。
37: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 18:57:20.89 ID:N7BH6Wdqo
怪人クラゲ女「何ヲ仰ッテイルノデスカ。
くらげナンダカラ、傘ヲ外セルワケナイデショ……」
千歌 「いくら私がバカチカだといっても、その傘がビニールでできていることくらい分かりますよ」
38: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 18:58:05.88 ID:N7BH6Wdqo
千歌 「どうして見せてくれないの?」
怪人クラゲ女「傘ノ中ヲ見テモ、面白イモノナンテ何モナイカラデスヨ!」
千歌 「どうして?
39: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 18:58:44.06 ID:N7BH6Wdqo
押し問答をしながら、くんずほずれつしていると、急に雨が降り出した。
千歌 「あ」
千歌ちゃんは傘を持ってきていないようだ。
40: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 18:59:43.62 ID:N7BH6Wdqo
千歌 「いいの?
中を見られたら、恥ずかしいんじゃないの?」
怪人クラゲ女「ソリャマア、恥ズカシイヨ。
デモ、千歌チャンヲ濡レタママニスルクライナラ、私ガ恥ズカシイ思イヲシタホウガ、ズットイイヨ」
41: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:00:26.92 ID:N7BH6Wdqo
千歌 「クラゲさん、お邪魔します」
梨子 「いえいえ、狭いところですが、どうぞご遠慮なく」
千歌 「今日は、竜宮城からいらしたんですか」
42: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:02:38.61 ID:N7BH6Wdqo
千歌ちゃんの家の前で、怪人クラゲ女はふたたび二体に分裂した。
千歌 「家まで送ってくれてありがとう、クラゲさん」
梨子 「どういたしまして。
61Res/32.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。