2:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:21:53.97 ID:fILZBOzpo
樹里の前に未開封の箱を積み重ねた。
薄く埃が舞って、差し込んだ日光が柱を見せる。
「で、何探してんの?」
3:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:23:06.01 ID:fILZBOzpo
いつだってそうだった。
女子は男のロマンをこれっぽっちだって分かってくれないんだ。
昆虫採集、化石発掘、真剣勝負。
男の子ってのはな、毎日が冒険に飢えて仕方の無い生き物なんだよ。
4:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:23:56.32 ID:fILZBOzpo
「……あった」
「お宝!?」
5:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:24:58.70 ID:fILZBOzpo
「懐かしいなぁポケモン。小学生時代の中心だったよ」
「え、ポケモンてそんな昔からあったん?」
6:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:27:10.81 ID:fILZBOzpo
「このCD、要るかい?」
「要らなーい。タブレットの方が欲しー」
7:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:27:41.49 ID:fILZBOzpo
ねぇ。キミ達の夢って、何かな
8:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:28:18.19 ID:fILZBOzpo
その一言で、俺はほとんど泣き出しそうになった。
――早く大人になりたいな。
9:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:28:57.79 ID:fILZBOzpo
もう一度、子供に戻ってみたい
10:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:30:01.95 ID:fILZBOzpo
そこからは止まらなかった。
涙をぼろぼろと零しながら、ただ四分間のメロディーが終わるまで立ち尽くしていた。
頼りにならない記憶が一言一句、不思議なくらいに歌詞を覚えていた。
11:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:31:19.75 ID:fILZBOzpo
「……樹里」
「なに、パパ?」
12:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 22:34:52.09 ID:fILZBOzpo
樹里は、すっかり拗ねたように部屋へ逃げてしまった。
散らかした箱を納戸の中にしまい戻し、埃を集めてゴミ箱に入れた。
手を払っていると、ポケットが小さく揺れる。
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