過去ログ - THE IDOLM@STER OVER WORLD
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39:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 17:48:39.98 ID:G7thJZfF0


「春香、本当にお前がやったのか」


プロデューサーは春香の目を真っ直ぐと見つめ、尋ねた。
彼に見つめられると、彼女はいつも嘘をつけないのだった。


「はい……、ごめん……なさい」


聞くやいなや、プロデューサーは
春香を強く抱きしめた。


「謝るのは俺だ!怖かっただろ……ごめんな、春香」
「えっ……」


てっきり、叱咤されるか、もしくはそれを越えて失望されるかのどちらかだと思っていた春香は、予想外の出来事に一瞬呆然としてしまった。
彼女の親友は、二人を見ながら微笑んでいる。


「なんで……私、私!人をいっぱい!アイドル、ううん。普通の女の子がするようなことじゃ!」
「俺だってさっき人を殺したさ!それはたしかに普通の人間がするようなことじゃない。だからこそ、春香がそれをせざるを得ない状況してしまった自分が憎いんだ!」
「やっぱり、私、普通じゃないんですよね……」
「ああ、普通じゃないさ!大切な人のためにここまでできるのは並大抵のことじゃない。でもそれは、悪いことなんかじゃないさ!お前が普通じゃないなら俺だって普通じゃない!一緒じゃ、嫌か?」
「いや……嫌なんかじゃないです!」


プロデューサーの胸で泣きじゃくる春香。
千早はここまでの展開を想定していた。
春香がこの惨状を作り出したのを確信していたが、それをわかっていても、プロデューサーと春香、二人に絶大な信頼を寄せているからこそ、嘘をつくことはしなかった。

だが、一見、千早は全てを見通していたかのように見えるが、実際はそうではなかった。
春香が学園都市の部隊を鎮圧したのは、プロデューサーの言う通り、大切な人を守るためであっただろう。
だが、鎮圧した後、残った兵士が戦意を無くした後はどうだっただろうか。
彼女が彼を殺したのは、愛だとか正義だとかそういったものではなく、ただ純粋な、快楽。
サディスティックから来るそれであったのではないだろうか。
当の春香が、それを自覚しているかしていないかは別にして、だが。


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