過去ログ - 高森藍子「誰かを笑顔にできるなら」
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18: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 17:28:09.46 ID:wiTHyHYmO
ガサガサ

不意に後ろで音がした。

見るといつのまにか現れた黒い猫がコンビニの袋に頭を突っ込んでいる。

「こら、その中にはお前の好きなものはないぞ」

酒のつまみに買ったアタリメはさっき食べてしまった。袋に残った匂いを嗅ぎつけてきたのだろうか。

驚くほどしなやかな胴体を両手でつかんで引きずり出す。

みゃー

人のつまみをパクろうとする猫には似つかわしくない可愛い鳴き声を上げる。

「わあ、かわいいねこさん。こんにちは」

少女は呑気に猫に挨拶している。

匂いだけでお目当ての獲物にありつけなかった猫は腹いせとばかりに俺のワイシャツに爪を引っかけてくる

「こら、やめろ」

ひきはがそうとするが小さい体のどこに潜んでいるのか強い力で生地を引っ張っている。

爪を外そうと猫を引き寄せると今度は俺の肩に登りやがった。

「おい、こいつ」

のどかな昼下がりの公園で思いもかけず猫と格闘を繰り広げる羽目になってしまった。


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