過去ログ - 高森藍子「誰かを笑顔にできるなら」
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34: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:11:17.65 ID:wiTHyHYmO
「あの…私このあたりには何度か来たことがあるんです。ほら、向こうのビルにたまにお買い物に行くんです」
そう言って坂の上にある丸いビルを指さす。
「でも不思議ですね。私の知っている街と、ここから見る景色はちょっと違う気がします」
ガラス窓の外を眺めながらそんなことを誰に言うともなく口にする。
「あ、うん。それで今日は何の用かな」
会いたかった、彼女に会ってもう一度確かめたいことがあった。
ただそれにはまだ心の準備が足りていない。
「ああ、ごめんなさい」
そう言って彼女はポシェットから可愛らしい封筒を取り出した。
「この前の写真、現像してみたんです。よろしければ受け取っていただけませんか」
「ああ、そうか…それはどうも……ご丁寧に」
なんだか拍子抜けしてしまった。
彼女から受け取った封筒の中には猫にじゃれつかれるアホ面をさらした男が写っていた。
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