8:名無しNIPPER[saga]
2016/07/27(水) 12:05:36.39 ID:8FgqKKs3O
大学とアイドルを両立し始めて2ヶ月ほど経った。
ダンスレッスンとボーカルレッスンは進歩が見えてきたが、ビジュアルレッスンだけはどうしてもダメだった。
「まあ誰しも苦手なことはあります。少しずつ克服していきましょう」
そうプロデューサーさんは言うが、どうしても焦ってしまう。
私のせいでプロデューサーさんの評価に響いてしまったらどうしよう。私はプロデューサーさんが直接スカウトした初めてのアイドル。
全く結果を出せないまま終わればプロデューサーさんの経歴に傷をつけ、評価が落ちてしまう。
私のせいで、そうなってしまう。
「……少し、自主レッスンしていきます」
トレーナーレッスンを終えたばかりだが、このままではいられない。
もっと、もっと練習していかなければ。
「あまり無茶してはダメですよ。身体を壊しては元も子もありません。新田さんはまだアイドルとして卵、それも生まれたての卵なんです。まだできないことがあって当然です」
「だからと言って!」
つい声を荒げてしまう。はっと気づき、視線を彷徨わせる。
「だからと、言って……出来ないままにしておくことなんてできません。すみません声を荒げてしまって」
プロデューサーさんはぽりぽりと頬を掻き、困ったような顔をした後、
「1時間、1時間だけですよ。時間になったら問答無用で迎えに行きますからね」
「は、はい! ありがとうございます!」
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