過去ログ - モバP「速水奏の輝かせ方」
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7: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/07/28(木) 19:14:21.34 ID:pU98D89e0
 とはいえ、プロデューサーへの道は甘くないらしい。

 先輩曰く本決定には、三ヶ月後に控えるプロダクション主催の定例ライブにおいて、一定の評価を得る必要があるのだとか。

 つまり、現状は仮免プロデューサー。

 陸サーファー的なイカす肩書きだ。プロとついているのに、素人っぽさを滲み出している感が堪らない。プロのデューサーなんて存在しないけど。

 なんて、思考を飛ばしておかないと緊張で胃がやられそうだった。試験があるなんて聞いていない。知っていたら断っていた。

「だって訊かれてないし」

 抗議すると先輩は何食わぬ顔でそう言った。苛ついたので千川さんにあることないこと告げ口しておいた。後日、先輩に土下座された。千川さん恐るべし。

 それから一週間、簡単な研修に従事した。先輩の教えは擬音語が飛び交うばかりで俺の頭を混乱させた。

 こんな先輩でも担当アイドルは売れっ子なのだ。きっと、考えないぐらいがちょうどいいという教えなのだろう。

「こういうのは直感が重要なんだよ。狙えば外れる。アイドルとファンは人間だ、思い通りになんていきやしねぇ。

 もちろん無軌道にやれと言ってるわけじゃない。基本は常に、アイドルの個性や魅力を引き出すためにどう見せるか。

 良いものは良いんだ。理由なんていらん。そう思ったら突き進め。自分の感性を信じろ」

 研修の最終日。神妙な面持ちの先輩は、珍しく真の意味で先輩らしかった。


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