112:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/09(火) 19:30:11.91 ID:kqsr3JY+0
私の視線は遥か向こう側の山の稜線へと向けられ、その一瞬を見逃すまいと思っていた。
轟音が更に大きくなった瞬間に山の稜線の先に大きな波が飛沫を上げて高く舞い上がる。
と、同時にその波は一気に山の麓へと流れて行った。
その大量の水は山を下り一気に盆地の森を飲み込んでいく。その後に続いてザーッ!と言う轟音が私の耳へと届いて来た。
音のズレがその光景を更に神秘的に魅せるのだ。
水は白いモヤの様な飛沫と共に私が立つ崖の下へとあっという間に流れ込んできた。
そして崖にぶつかり更に轟音を響かせて水かさを増して行く。
山の稜線から流れ込む水の中には黒い筋の様な物が幾つも見えた。
あれは巨大な生物達が一緒にこの盆地の中に流れ込んでいるらしい。
ほんの五分程の時間だろうか、気がつくと稜線の向こう側から流れ込む水は無くなっていた。
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