168:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 17:56:37.94 ID:VLnMOMfy0
そしてもう一度電気を消した。彼が現れる。
「ちょ、ちょっと…」
僕は笑いながら電気をつけ、そして消す。それを三度繰り返した時にフェイントを一回入れたらパンダは間違えた。
169:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 17:57:47.51 ID:VLnMOMfy0
「…ちょっとタバコ吸って良い?」
「煙いからヤダ」
「君、凄い断るの早いね…てか、馴染むのも早いし…」
そう言ってパンダはタバコに火をつける。
170:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 17:58:23.58 ID:VLnMOMfy0
「何でも良いよ…タバコの銘柄は何?とか」
そう言ってパンダが笑った。
何そのパンダジョーク。ちっとも面白くないし少しイラってきたわ。
僕は少し思案する。パンダはジッと僕を見つめていた。
171:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 17:59:21.26 ID:VLnMOMfy0
「いや…パンダって笹食べるっしょ…」
「パンダ?!」
僕の言葉に彼が心底驚いていた。
そして少し宙を見上げて何かを考えて「…ああ」と言う言葉を発した。
172:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:00:06.52 ID:VLnMOMfy0
「う〜ん…何でだろうか?ひょっとして君はパンダにその…何らかのアレがあるかもしれない…そのトラウマ的な何か…」
パンダにトラウマって何だよ。どんな仕打ちをパンダにされたんだよ。
「んじゃ…実際にはどこに居るの?」
173:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:00:48.79 ID:VLnMOMfy0
「君は世界を救わなくちゃいけないんだ!」
その言葉に閉じかけた目を開けた。そして起き上がりパンダを見る。
「…世界を…救う?」
174:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:01:44.89 ID:VLnMOMfy0
「君はね…選ばれた人間なんだよ…!」
選ばれた人間…。
その言葉に僕は布団から跳ね上がる様に立ち上がった。
175:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:03:02.60 ID:VLnMOMfy0
すぐにテンションが上がって話を聞かないのは僕の悪い癖だと小学校時代の山川先生に通知表に書かれていた事を思い出した。
「…良いかい?僕の言う事をよく聞いて欲しいんだ…」
パンダの少し怒りを抑えた声に僕は黙って頷く。
176:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:09:06.40 ID:VLnMOMfy0
朝、目が覚めると勿論僕の前にはパンダは居なかった。
まあそれは分かっていた。あれが夢かどうかは置いといて、こう言う場合のパターンでは決まって『え?あれって夢だったの』的な感じにする為に朝にはその存在が消えている。
それは知ってる。
僕は時計の針を確認した。時計は朝の五時を少し過ぎた時間だった。
いつも通り自分の体内時計には感心を覚える。
177:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:10:15.24 ID:VLnMOMfy0
…
「おう、起きたか」
居間で目覚めた信一を見ながら僕は漬物をパリパリとする。
178:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:11:15.69 ID:VLnMOMfy0
「達矢にいちゃあん!」
そう言って僕の名前を呼ぶ。
「おう、チビ共おはよう!」
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