191:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:24:39.81 ID:Yv50vCTj0
奈緒は僕をチラッと見ると携帯を弄るのを辞めそれを置いた。
海からの風が心地よい。
ここは余り海水浴客がいない。入り江になっていて波も穏やかで透明度も高く砂浜も綺麗だから超穴場スポットだ。
だが、やはり夏休みなのでそこそこに海水浴客がいた。
奈緒は…僕の携帯が自分の父親の遺品だという事を知らない。僕も敢えて言う必要が無いと思っていた。
だけど、それを馬鹿にされると少し気分が悪い。例え遺品をくれた人の娘だとしてもだ。
「…ちょっと怒ってる…?」
「何が?」
奈緒の言葉に僕は海を見たまま答えた。
「…それ位分かるから」
「流石は…幼馴染」
俺の彼女…と言おうとしたが少しばかりむくれていた僕は言葉を変えた。
「…う〜ん…夏だねえ」
奈緒が伸びをしながらそう言う。
「八月だぞ、今が冬だったらキュウリ農家の人が困るだろうが」
「…もう…いつまで怒ってんのよぉ」
「怒ってねえよ」
「怒ってんじゃん…」
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