過去ログ - 海辺の町と赤く染められた国
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80:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:48:28.04 ID:k0/bWBKq0
そう、津村秀樹は非公式で50秒の壁を越えたんだ。

現在の日本記録は40秒台だ。だけど当時は皆50秒の壁を越える事に必死だった。
彼は一度だけ越えた事があるらしい。
その時は水の色が変わる…そう彼は言っていた。
以下略



81:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:49:24.52 ID:k0/bWBKq0
僕の中に「諦め」と言う言葉が出てしまった。
だからかもしれない。
今年この海に来たのは。部活を休んでこの海に来た。

顧問達は怒っていたが。
以下略



82:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:50:21.11 ID:k0/bWBKq0
「色々…難しいよね…ヒーローに成るって」

皆が騒いでいる中、僕はそう独り言をポツリと呟く。
ドン!
また、あの耳鳴りがした。
以下略



83:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:51:35.87 ID:k0/bWBKq0
そこに、そのドルフィンブルーのDVDがあり、思わずそれを観てしまったんだ。
そこからだった…僕がそれにハマッたのは。
気がつくと津村秀樹に頼んでそれを毎日観るのが僕の日常になっていた。
内容は…まあ、海の面積が広がり、それに伴い巨大海洋生物が増えたのでそれを退治する為にドルフィンブルーが生まれた…。

以下略



84:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:52:28.16 ID:k0/bWBKq0
まあ…ストーリーはさておき僕は変身ポーズや必殺技、そして決め台詞が大好きだった。

彼こそが僕が極めたいと思っているスプラッシュトルネードを使って敵を倒して、その後に『お前の弱さで海が甘くなっちまう』の決め台詞。
しびれるねぇ。

以下略



85:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:53:23.29 ID:k0/bWBKq0
だから僕は津村秀樹としかドルフィンブルーの話が出来なくて益々彼に懐いていった…。

そんな僕にある日彼はプレゼントをくれた。丁度五年前の誕生日だった。
その日僕が彼の部屋でドルフィンブルーDVDを観ていると彼が僕にある物を渡して来た。

以下略



86:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:54:00.27 ID:k0/bWBKq0
「おっちゃん…これって…」
「そう、ドルフィンフォン!」
「マジで!マジで!マジで俺にくれるの!」
「探したんだぞー、中々売ってないからなぁ」

以下略



87:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:55:23.90 ID:k0/bWBKq0
彼はそう言って僕に携帯電話の画面を見せる。
パスワードを入れる画面だった。

「これでパスワードを入れたらお前専用だぞ」

以下略



88:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:56:04.28 ID:k0/bWBKq0
「あ…携帯…」

僕は急に思い出して憂鬱になる。
そう…その僕の宝物だった携帯電話を今日無くしたんだ…。
あれから五年…ずっと大切に使ってたのに…。
以下略



89:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:56:45.76 ID:k0/bWBKq0
「一応呼び出してるけど…鳴ってない?」
「うん…鳴ってない…」
「ふ〜ん…あ、留守電に落ちた。はい残念」

そう言って奈緒は携帯を切った。
以下略



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