過去ログ - 「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」
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◆XkFHc6ejAk
[saga ]
2016/08/12(金) 13:45:05.35 ID:Xo9GuVjR0
「ほう……ッ!?」
男がそれに合わせて膝蹴りをしようとすると、足元から二つの手が出現し、男の両脚を捉えました。
(こいつ……影に関しての能力を持ってやがる! 種族か、それとも魔法か……)
そのまま無駄の無い動きで、全体重をかけて男にナイフを突き刺します。
しかし、その刃が刺さる事はありませんでした。力んだ男の身体は、ナイフが貫くにはいささか固すぎたようです。
男の反撃を避けた少女は、身軽な動きで距離を取りました。ヒットアンドアウェイを徹底しています。
「さっきのウィルオウィスプを防いだのも、あの影の手だな」
(……「黒腕」がバレた。繋いだ「影沼」は使ったから、次は時間がかかる)
「しかし、こんなオモチャで俺を殺せると思ってんのかねぇ」
(……どうして喋れるの? あのナイフには)
「ナイフの先に、猛毒を仕込んでたな。悪いが、まだヒュドラの毒炎の方が効いたぞ」
(!? 毒の耐性を持ってた?)
「まァ、面白い能力だな。もっと見たいが……行く所があるんでね」
男はニヤリと笑いました。
男は次の瞬間、両足に馬鹿力を込め、思いっきり高く飛び上がりました。地面に巨大な亀裂が入ります。
「このまま火の海にしても良いんだが……試してみるか」
男は大剣を掲げ、火属性の魔力を宿しました。それに呼応し、大剣は炎を纏いながら、バチバチと爆ぜ始めます。
「――オラァ!」
ほほう、随分派手な一撃です!
それはまるで流星の落下――男が地面に叩きつけた大剣から、巨大な爆発が発生しました。
凄まじい轟音と共に、辺り一面が吹っ飛びます。
潜る場所も全部吹っ飛ばしちまえば、逃げ場はねえだろ――単純ですが、有効な対策です。
誰もがこの広範囲を吹き飛ばせるかは疑問ですが。
少女の姿は、原型を留めていませんでした。爆発の熱と衝撃波によって、即死したようです。
本来は炎熱を纏った斬撃が出る程度のものなのですが、男が握ればさながら流星のような威力に変わります。
ゼロ距離で爆発に巻き込まれた本人は、ぴんぴんしています。タフですねぇ。
「あーあ、こりゃ駄目だな。使えねえ」
しかしその大剣もまた、男の力を受け止めるには力不足だったようです。威力に耐えきれず、柄から先が無くなっていました。
やっぱり俺は武器を持つには向いてねえな。男は柄を投げ捨てます。
「あ、そう言えば……襲ってきた理由聞いて無かったか」
たった今、自分が殺したのを思い出したかのようにそう言うと、男は夜の街に消えていきました。
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