過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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112:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:22:47.00 ID:D33bbYIF0

 一番近い高校、というのは、言わずもがな、俺たちが通っている学校だった。
 あんな歳(小六と言ってたっけ)の子が、高校に何の用があるんだろう。

 もしかして、あまりにも勉強ができすぎて、高校に編入したい、とでも言うのだろうか。
 だとしたらあの子は天才なのか。羨ましい限りだ。

「やは」

 ……さて、そろそろ家に帰るか。無駄に居座って、これからここを通る人の邪魔になってはいけない。

 公園を背に、そのまま歩き出そうとすると、背中を強めに突かれた。

「……今なんで無視した」

「朝から同級生に会うなんて、幻聴なのか、と思いまして……」

 振り返ると、少し不貞腐れた顔のイチが立っていた。
 七部丈のジャージのズボンに、同じくジャージの半袖の上着。
 頭の後ろについているポニーテールは、いつもより少し上の方に付いていた。

 ……がっつり運動する格好。

「何してるの、始まっちゃうよ?」

「いや、それより……」

「なにさ」

「……なんでイチまで?」

「だって、ちゃんと来てるか、確認しないとだよ」

 どのみちお互い罰ゲームじゃないか。

 そう言い返そうとしたが、イチは当たり前のような顔をして公園に向かうので、黙って付いて行った。
 よく見ると、ジャージも真新しいものに見えた。着ているというより、服に着られてる。


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