過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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121:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:54:43.97 ID:D33bbYIF0
 ねえちゃんはぐりぐりと麦わら帽子を撫でた。

 その後、ねえちゃんは、女の子の親に連絡を入れて、家へと帰った。
 とりあえずは見つかってよかった。

「家に帰ったらお仕置きタイムだよ」

「えー……」

 本当にえー、という顔をする女の子の頭を、ねえちゃんが軽く叩いた。麦わら帽子がずれる。
 肩を落としてキャリーバッグを引きずる後ろ姿が、ねえちゃんそっくり。

 イチは、ちょっと用事、と、校舎の中へ消えていった。

 イケメン君と並んで、さっきのお礼を言う。

「外周走ってたら、チャリ置き場の辺りでウロウロしてたの見つけてさ」

 もしかしたら、と思って、連れてきてくれたらしい。

「声かけるの緊張したよ」

 そう言って、遠慮がちに笑った後、彼は部活に戻った。

 ランニングのついでに、迷子の女の子を助ける。
 やっぱりイケメン君は、することもイケメンだった。

「見つかってよかったですねー」

 不意に声をかけられて、振り向くと、校門の上に、制服を着たこなたが座っていた。

「危ないよ」

「おっとー、これは失礼」

 こなたは、まるで足と地面が、磁石のように引き合っているかのように、滑らかな動きで地面に降りた。


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