222:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 21:02:03.21 ID:H5SsrYQnO
「……変、では」
なんと声をかければいいのか、言葉に迷う。
こういう時に気の利いた返事ができればいいのに、と本当に思う。
ここで変なことを言ってしまえば、チヨを傷付けてしまうかもしれないし、
ハルもそれがしたくて俺に相談したのではないだろう。むしろその逆だ。
間違ったことを言ってしまえば、それだけダメな方向に周りの雰囲気が傾いてしまう。
人が人を好きになるって、本人からすればものすごく大きな問題だ。
だからこそ、言葉に迷った。
迷ったけど、俺は、間違っていない答えを探すのに精一杯で、
やっと組み立てた言葉は、保険をかけてしまった……普通の、言葉だった。
「変では、ないと思う」
……言ってから、もっといい答え方があったんじゃないか、と不安になる。
しばらく、防波堤の上は沈黙に包まれた。気まずい。
少しだけ目線を横に向けて、チヨの顔を見る。俺のせいで傷ついたりしてないだろうか。
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