271:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:24:18.46 ID:qsBzmbI/0
早く返事をしないと。
時間が経てば経つほど、言いづらくなるし、待っている方も辛い。
返事を、二択から選べ、と言われると、答えはすぐに出せる。
はい、か、いいえ、か。
はい、ではない。
ということはつまり、いいえ、なのだろうけど。 はっきりとそう言うのは、気がひける。
どうして断りたいのか。
ーー考える。
別に、付き合うくらい問題ないのでは。
今より一緒にいる時間が増えれば、もしかしたら好きになるのかもしれない。容姿だって悪くない。むしろ可愛いくらいだ。
じゃあ、なんで。
何が足りないのか。
ーー答えは単純だった。
「あのさ」
ーー嘘はつかない。
「……はい」
コヨミちゃんが顔を上げる。
視線は真正面。横顔が見えた。
「俺、好きな人がいる」
……かもしれない。
よくわからない。好きなのかどうか。
ただ寂しさを紛らわしたいから一緒にいたいのか、
それとも、好きだから一緒にいたいのか。
「……そう、ですか」
コヨミちゃんの声は、諦めていたような、でも期待もしていたような、複雑な声色だった。
息が震えている。
329Res/334.42 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。