81:名無しNIPPER
2016/08/19(金) 20:15:26.54 ID:F+nlZ94w0
「え、真壁、兄弟いるの?」
イケメン君が珍しく反応する。
そういえば、同じクラスになってから兄弟の話はしていなかった。
「うん、弟が二人」
「奇遇だな、俺は妹が二人」
イケメン君にも下の子がいるらしい。それは初耳だった。
「羨ましいな呪われろ」
直接呪おうとしないところがユウキらしい。
また風鈴が鳴った。涼しげな音色。
「なら、もし全員の兄妹が集まれば、この喫茶店、半分は埋まるね」
イケメン君は、栗色の髪の毛を揺らして、店内を見渡した。
地毛らしい。頭髪検査があるたびに先生に疑われるので「黒に染めようかな」と、最近話していた。
「集まる必要なくない?」
「確かに」
そして俺たちが集まる必要も、特にはなかった。せっかくの休みなんだから。
それでもなぜか、夏休みに入る前の最後の休み、と思うと、寝て過ごすのも勿体無い気がして、ふと呼びかけたら、全員ここへ集まった。
何が勿体無いのかと聞かれると、なんと答えていいのかわからなくなるけど。
でも三人ともここへ来たんだから、そこそこ同じような考えではあるんだろう。
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