過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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20:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:38:13.07 ID:Yu37ZZYbO
ホラーマンは人差し指と中指を立てて、ぼくの方に向けた。


「世界の理は二つあるんですね。もうひとつは誰も死んではいけないということ。
これはアンパンマンも知らないでしょ?」

「誰も死んではいけない?」

「ええ、そう決まっているんですね〜。例外を除いてはですけどね」

「ねぇ、ホラーマン。君はどうしてそんなことを知ってるの?」

「それは、私がその例外だからですよ」


ホラーマンはなんでもないことのように、ぼくに言った。


「私、実は一回死んでるんですね〜。怖いですね〜ホラーですね〜」


驚くぼくに、ホラーマンは懐かしむように笑った。


「生きていた頃の私と言えば、それはもうとてつもなくイケメンで、お城暮らしの王子さまでした。
かわいらしいお姫様との暮らしも、今では遠い日のことですよ」

「ホラーマンは王子さまだったの?」

「ええ。でも、お姫様を守るために死んでしまったんです。悲しいですね〜」

「そうだったんだ……」

「けど、その時に神様に会ったんです。
神様は世界の決まりを教えてくれて、私をよみがえらせてくれたんですね〜。
ちょっと、時間が経ってたもんで、骨だけになっちゃいましたけど」


ぼくはずっと驚きっぱなしで、ホラーマンの言っていることが本当かどうかも判断がつかなかった。
けれど、ぼくはホラーマンに尋ねた。


「じゃあ、ばいきんまんも生き返るってこと?」


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