過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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23:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:42:21.93 ID:Yu37ZZYbO
ホラーマンと一緒に部屋を出ようとした時、突然、ぼくの部屋の扉がノックされた。
こんな朝に人がやってくることはまず無くて、ホラーマンだけでも驚いていたのに、ぼくはますます驚いてしまう。
扉を開けたぼくは、扉を叩いた人物を見て、さらに緊張した。
廊下に立っていたのは、ジャムおじさんだった。


「アンパンマン、今の話は聞かせてもらったよ」


ジャムおじさんの優しげな声は、真剣な響きを含んでいる。
ぼくは思わず身構えた。


「ジャムおじさん、ぼくたち、ばいきんまんを生き返らせたいんです」

「分かっているよ。本当は私も反対なんてしたくはないんだけれどね。
だけど、その旅は許してあげられないんだよ」

「あー、でもですね〜。ちょっと話を聞いてほしいんですが」

「申し訳ないけど、アンパンマンと話をさせてくれないかな」


聞いたことがないジャムおじさんの言葉に、ホラーマンも黙りこんでしまった。
ジャムおじさんは真っ直ぐぼくの目を見つめて言った。


「人の生き死にを、自分の思い通りにしようなんて、思ってはいけない。
それが出来るのは神様だけなんだよ。
よく考えてごらん。自分が本当にそんなことを望んでいるのか。
私たちに出来るのは死を悼み、それを乗り越えて、成長することではないのかと、私は思うよ」


ぼくはなにも言い返せなかった。
ジャムおじさんの言うことはいつも正しいし、ぼくでは想像もつかないほど、色々なことを知っている。
だから、ぼくは今までジャムおじさんに言い返そうなんて、思ったこともなかった。
そもそも、説得されたり怒られたことすらなかったから、ぼくはなんだか息苦しくて、今すぐに謝りたくなった。
なのに、一歩後ろから、不思議な調子の声が響く。


「思ってはいけないなんて、お堅いですね〜」


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