過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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26:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:46:13.47 ID:Yu37ZZYbO

静まり返ったぼくの部屋は、急にホラーマンの声で騒がしくなる。


「いやー、えらいっ。アンパンマンもやるときはやるんですね〜すごいですね〜。
ジャムおじさんも情報を教えてくれたし、ホントもう上出来ですホラー 」

「う、うん。ありがとう」

「では!早速北に向かって飛びましょ。善は急げですね〜。
準備はオッケーですか?」

「……うん!」


ぼくたちは部屋から出て、一階への階段を下った。
すると、工房のテーブルには、いつの間にかぼくの顔が置かれていた。
パンがいっぱい詰まったバスケットも置かれている。
ぼくは胸が少しだけ痛くなって、胸をおさえながら呟いた。


「ありがとう、ジャムおじさん」


ぼくは顔を新しい顔に変えて、ホラーマンはバスケットを肩にかけて、外へと踏み出した。
外はすでに太陽がのぼり初め、まばゆい朝日が辺りを照らしている。


「行こう。理の本を探しに」

「はーい、わくわくしますね〜!」


ぼくは背中にホラーマンを乗せて、空へ飛び立った。
しばらくここへは帰れないかもしれない。
なにも言わずに出てきたので、バタコさんやチーズやメロンパンナちゃんも悲しむかもしれない。
それでもぼくは行くと決めた。
その旅がどんなに辛いものとなろうとも……ぼくはもう振り返らなかった。


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