過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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32:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:54:20.97 ID:Yu37ZZYbO

「ああ。あれは電柱って言うらしいぜ。あのコードを電気が通っていて、建物に送っているらしいんだ」

「そうなんだ。ぼく初めてみたよ」

「私達もここで初めて聞いたんですよ。他の場所では見たことがありませんね」


カレーパンマンとしょくぱんまんは説明しながら、さらに広場の先へと進んだ。
するとレンガでできた大きな建物の姿が、だんだんと見えてくるようになった。


「あそこが学校なんですかね?」

「ええ。子供たちも中にいますよ」

「本当にこんなところに子供がいるんだ……」

「そうだな……あんまりいい場所じゃあねぇな」


カレーパンマンとしょくぱんまんは、困ったように笑った。


「俺たちも最初は驚いたよな。ジャムおじさんに食ってかかったっけ」

「そうですね。こんなところに子供達を住まわせてるなんて、酷すぎると訴えましたよね」

「でも……あの子たちには、ここしか居場所がねぇからな」


それってどういうこと?とたずねる前に、突然ぼくは誰かに後ろからしがみつかれた。
腕の細さや、背の高さからいって、子供が抱きついてきたんだろうと、すぐに理解する。
こどもは嬉しそうな声で、ぼくに言った。


「お兄ちゃん、カレーパンマンとしょくぱんまんの仲間の、アンパンマンでしょ!」


ぼくは驚いて、こどもの方を見下ろした。
ぼくに抱きついているのは、人の姿をした男の子で、全身で喜んでいるのが伝わってくる。


「どうしてぼくがアンパンマンだって分かったの?」

「ぼく、カレーパンマンとしょくぱんまんから、いっぱい話を聞いたんだよ!
メロンパンナちゃんのことも、クリームパンダのことも、チーズのことも知ってるよ!」


男の子は得意気に笑って、ぼくから離れると、校舎の方へ走っていった。
隣から、私は無視なんですね〜、と小さく聞こえたけど、ぼくたちはそれどころではなかった。
男の子が校舎に入ってすぐ、他の子達も呼ばれたようで、10人ぐらいのこどもたちが、ぼくたちの方へ走ってきていた。
みんな、輝くような笑顔だ。


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