過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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40:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 16:07:11.15 ID:Yu37ZZYbO

「どうなんだろうな。俺たちには分からない」


いまいち理解していないぼくのために、カレーパンマンはさらに説明してくれた。
その声は、どこか切なそうだった。


「あの子たちをこの島に送ったのは、あの子たちを助けるためだったんだ。
この島は、前の世界の住人がやったのか、時間の進み方がめちゃくちゃでな。
あの子たちが全員眠ると、この島の時間だけ前の日に戻るんだよ」

「時間が……戻る?」

「ああ、だから1日たちゃあ、俺たちのことなんか、なーんにも覚えてねぇんだ。
そのことにあの子達が気づいてるかは分からねぇけどな」

「私たちは別の世界の住人なので、時間の影響は受けません。
ですが、毎日自己紹介をして、毎日親と離れたこどもたちを慰めるのは、なかなか大変でしたよ」

「そうだったんだ……」

「あの子達がかかった病は進行性で、太陽の下では一日も生きられない体になっちまっていた。
だから、日も差さないこんな島に、こどもたちを送ることにしたんだと思う。
一日でも長く生きて欲しくて、時間もめちゃくちゃにしたんじゃないかと、俺は思いたいよ」

「でも、あの子たちはもう、お父さんとお母さんには会えないんだよね?
それは……」

「アンパンマン」


しょくぱんまんが叱るように、ぼくの言葉を遮った。


「こどもたちは、こんな場所でも精一杯生きているんです。
私たちに出来ることは、あの子たちを笑わせてあげることだけですよ」

「うん……」


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