過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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41:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 16:08:30.45 ID:Yu37ZZYbO

ぼくはジャムおじさんに説得されている時と、同じような気分になった。
きっとしょくぱんまんも、ジャムおじさんにそう言われて納得したのかもしれない。
落ち込むぼくを、カレーパンマンは明るい声で慰めてくれた。


「しょくぱんまんの言うとおり、俺たちの出来ることはあの子たちを笑わせることだけなんだ。
俺たちがいる間ぐらい、幸せな毎日を送らせてやりたいだろ?
だから、アンパンマンも協力してくれよな!」

「うん、分かった」


カレーパンマンもしょくぱんまんも、この島から帰る時がくる。
ぼくとホラーマンも、ばいきんまんを生き返らせる手がかりを探さなくちゃならない。
いずれ、この島はこどもたちだけになってしまうから、ぼくは笑おうと決めた。
そして、二人の言うとおり、こどもたちを笑わせようと決めた。


「ぼく、がんばるよ」

「そう言ってくれてよかったぜ。
でも、頑張るのは明日からだな」

「えっ?どうして?」

「もう、夜になってしまったからですよ」


その時、壁の上の方取り付けられたスピーカーから、鐘の音が響いた。
どうやらこれが夜を告げる合図だったようで、二人は憂鬱そうに目を開く。


「本当に時間の流れがめちゃくちゃですからね……。
もうあの子たちを寝かせなければいけません」


それはこどもたちから、今日の記憶を消すということだ。
でも、どうすることもできないぼくたちは、職員室を出て廊下を歩いた。
昼も夜も、森の中の校舎は日が差さないので、あまり変わったようには見えない。
しかし、窓の外を飛ぶこうもりの数は、少しだけ増えたようだった。


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