過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 16:19:47.01 ID:Yu37ZZYbO
「あの台座の上にあるのが、理の石だよ!」
こどもたちの言うとおり、暗い六角型の室内に、石の台座が見えた。
台座の上には、上質な布でできたクッションがあり、そのさらに上に石は置いてあった。
理の石と呼ばれているそれは、真っ黒で少し光沢がある。
「アンパンマン、あれをどこかへ捨ててきて欲しいんだ。
お願いできる?」
「うん、任せて」
ぼくは石の方に手をのばし、石を台座から外した。
すると、その瞬間に石は緑色に光りだした。
ぼくとホラーマンは驚いたけど、こどもたちまで驚いているみたいだった。
「そんな!まだ石に力が残っていたなんて……」
石はぼくの手の中で光り続ける。
その光りはなにかを呼ぶように、強く輝いていた。
そして、地面が大きく揺れだし、なにかが天井を突き破って、ぼくたちの前に現れた。
「きゃー!!」
こどもたちの叫び声が響く。
バラバラと降り注ぐ木片からこどもたちを守りながら、ぼくは音のする方を見た。
すると、そこには理の石と同じ石で出来た魔神が、ぼくたちを睨み付けて立っていた。
目は赤く光り、手には石の剣を持っている。
瞳の赤い光りは、あのバイキンロボを思い出させた。
ぼくは一瞬、彼の声も思い出してしまった。
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