過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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52:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 16:23:41.39 ID:Yu37ZZYbO

「ひえ〜!後先考えずに顔をあげたりするからこうなるんですね!
このままじゃあ、負けちゃいますよホラー!」

「アンパンマンは顔をあげると弱くなるの?」

「そうなんですね〜。なのにあのお方はいつも顔をあげちゃうんです。
お腹が空いている人や、元気がない人を見かけると、どうしても放っておけないんでしょうね〜」

「そうなんだ……」


ホラーマンとこどもたちの話し声が聞こえると、突然ぼくのズボンのポケットが光りだした。
それは、さっきとっさに理の石をしまった方のポケットで、どんどん輝きが強くなる。
耳をすますと、ホラーマンが慌てている声が聞こえた。


「どどど、どうしたんですか!?みんな光っちゃってるんですね〜!ホラーですね〜!」

「私たちは石の守護者だから、理の石の力を使えるの」

「僕たちがみんなで力を合わせれば、少しだけ時間を操ることが出来るんだ」


こどもたちの声に答えるように、理の石は輝きを増して辺りが見えなくなるくらい、強く光った。
魔神は押し斬ろうとしていた剣と、盾を離して、眩しそうに手で目を覆っている。
緑色の光りはぼくの頭に集まって、ハープのような高い音色を響かせた。
その瞬間、ぼくの顔は焼きたてのあんパンに戻っていた。


「アンパンマン、頼んだよ!」

「うん!」


緑色の光りはいくつかの光の球になってぼくの周りを回り、ぼくの手のひらに集まった。
ぼくはそれを握りしめて、魔神の方へ向かう。
そして、光りを纏った腕に力を込めて、思いっきり拳を打ち付けた。


「アンパーンチ!!」


ぼくの腕は魔神の体に大きな穴を空けて、突き抜けた。
すると、魔神の体はガラガラと崩れ始め、地面に落ちた瞬間に光の粒になり、頭上に広がった木の葉に吸い込まれていった。
光の泡が立ち上るように、魔神の姿は消えた。
なのに。


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