過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 16:43:39.57 ID:Yu37ZZYbO
ぼくたちはあの真ん丸の雲に向かって、ぐーんと飛び上がった。
近づいていくとやっぱり怪しくて、まるで雲を寄せ集めて固めたみたいに見えた。
そしてぼくたちは問題の雲よりも高く飛び、雲の上を見た。
すると、驚いたことに、雲の上には真っ白なお城が建っていた。
「ホラー!これは驚きですね!
お城が建ってますよ!」
「うん……!誰のお城なんだろう」
「ちょっと声かけるの怖いですね〜。
ジャックと豆の木みたいに、巨人が出てくるかもしれませんよ?」
「でも、ここに手がかりがあるなら行かなくちゃ」
ぼくは嫌がるホラーマンをなだめながら、お城の扉に近づいた。
両開きの扉は大きくなめらかで白く、見たこともない素材で出来ていた。
けれど、ぼくたちの目線の高さぐらいに、金色のノッカーがついていて、ぼくはそれに手をかけた。
「本当に大丈夫なんですかね?なんか出てきても、ホラーマンは戦えませんよ?」
「大丈夫だよ。ぼくが絶対守るから」
ぼくは当たり前のように自分の口から出た言葉に驚いた。
こんな言葉はばいきんまんがいなくなってから、ずっと言えなくなっていたのに。
ぼくはもしかして、なにかが変わったのだろうか?
びっくりしていたぼくは、呼吸を整えて、ノッカーで扉を打った。
軽く打ったのに、ゴンゴンと音が扉中を響いたので、ぼくたちは慌てた。
「アンパンマン……なにもあんなに強く叩かなくても……」
「そ、そんなに強く叩いてないんだけど……」
言い訳をしていると、二枚の扉はゆっくりと開き始めた。
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