過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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69:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 16:50:41.20 ID:Yu37ZZYbO

「あーあ、ほんとうにめんどくさいやつじゃのう。
あの部屋なら二階の突き当たりじゃ。
さっさと行け」

「……ありがとうございます!」


ぼくは礼をして、階段へと走った。
そんな僕を追いかけるように、声が部屋から響く。


「なぜ、あいつに肩入れするんですか。本当に悪趣味な方ですね」


その言葉の意味を考えるより、ぼくは部屋を探すことに夢中だった。
玄関の正面の階段を駆け上がり、右と左をせわしなく見回す。
ドアはたくさんあったけど、左の廊下の突き当たりには、一際目立つ金で縁取られた扉があった。
ぼくは一目散に、その扉へ向かった。


「はやく……はやく、ばいきんまんを助けないと!」


突き当たりにたどり着いて、ぼくは勢いよくドアを開けた。
すると、部屋の中央に透明な渦が出来ていて、その渦の中にばいきんまんの姿が見えた。
そして、崩れたばいきん城と、おおきなバイキンメカと、その周りを飛んでいるぼくの姿が見える。
映像の中のぼくはばいきんまんに叫んでいた。


「やめるんだ!ばいきんまん!」


ぼくはその声を聞いて確信した。
これはばいきんまんが死んでしまう直前の映像だ。
きっとこの渦の中に飛び込めば、あの時に戻れるのだろう。
渦の回りは雷が走っていていて、バチバチと弾けて唸りをあげる。
けれど、ぼくは迷わずに飛び込んだ。
ぼくは今度こそ彼を助けなければならない。
絶対に失敗はできない、そう決意を固めた。

そして次の瞬間、ぼくの目の前には、あの日のバイキンメカが立っていた。


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