過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 16:54:55.08 ID:Yu37ZZYbO
「そんな……?」
ぼくは状況が理解できずに戸惑った。
そもそもジャムおじさんが泣いているところなんて、ほとんど見たことがない。
しかも、ぼくのベッドに突っ伏して泣いているところなんて、見たことがあるはずがなかった。
これは夢かなにかを見てるのだろうか。
しかし、ぼくはジャムおじさんの声を聞いて、やっと気がついた。
「なんで死んでしまったんだ……!」
死んでしまった。ぼくは死んでしまったんだ。
「お前が死ぬことはなかったのに……!」
ぼくは、はっと呼吸が止まった。
ジャムおじさんが泣いていていて、ぼくは死んでいて、ぼくはばいきんまんを庇っていて。
だとすると、ジャムおじさんの言葉の意味は分かる。
ぼくは恐ろしくなって、水晶玉を落としてしまった。
そんな水晶玉から、まだ声が響いた。
それは別の人の声だった。
「まだ動いちゃダメよ!ばいきんまん!」
これはドキンちゃんの声だ。
それに答えるように、か細い声が響く。
「あいつは……あいつはどこだ……?」
「……ばいきんまんも分かってるでしょ。
もうどこにもいないのよ」
「なんで……あいつが……」
ばいきんまんは大きく咳き込みながら、苦しそうな声で言った。
「あいつが死ぬことはなかったのに……」
ぼくは手に大量に汗をかいていた。
どういうことなんだろう、これは。
なんでこんなに恐ろしいことになってるんだろう。
ぼくがなにをしたっていうんだ。
なにか間違ったことをしたっていうのか?
ぼくは水晶玉を遠くへ投げて、耳をふさいだ。
そして、暗闇で一人しゃがみこんだ。
ぼくにはもう、なにも出来なかった。
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