過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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75:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 16:58:10.06 ID:Yu37ZZYbO

「その水晶玉にはなにが見えましたか?」

「みんなが落ち込んだり怒ったりしていて……まるで世界の終わりみたいだった」

「そうです。よく分かりましたね。
こうして理が歪んだ世界は滅ぶはずだったんです。
あなたの死をきっかけに」


ホラーマンは真剣な顔でぼくを見た。
その顔はホラーマンじゃないような顔で、ぼくはちょっと後ずさった。


「どういうこと……?君はホラーマンじゃないの?」

「気づくのが遅すぎますね。
君は理想的なヒーローだった。
理を破りさえしなければ」

「理を破るってどういうこと……?
理は生き返ってはいけないってことと、死んではいけないってことなんだよね?」

「本当はあなたには言っていない、もう一つの理があったのです。
それは、この世界は愛に溢れていなくてはいけないということ」


ぼくは驚いて、ホラーマンみたいな人を見た。
ホラーマンそっくりな人は、ぼくの横を通って、水晶玉を拾い上げる。


「しかし、この包帯だらけの彼が、世界を救ってしまった。
本当はあなたはバイキンメカの暴走で死んでしまうはずだったんです。
そして、世界が終わるはずだったのに、彼は精一杯抗った。
そして、なんとあなたを助けしまった。
どうしてだか分かりますか?」


答えないぼくに、ホラーマンみたいな人は、はっきりと言った。


「あなたのことが大好きだからですよ。
彼は絶対にあなたの命を奪いたくはなかった。
そして世界まで救ってしまった」


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