過去ログ - 林檎が毒に変わるとき、それは即ち時間の経過
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4: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/25(木) 10:46:31.27 ID:ixs6WJ9M0
 二人が廊下の角を曲がったのを確認してから、嘆息しつつ扉を閉めて施錠する。

 次きたら通報しよう。そう心に決めて、寝室に戻りベッドに横になった。

 ああ眠い。瞼を閉じると次第に身体が沈んでいく。意識は墜落直前。これくらいが心地いい。

 だけど、それは邪魔される。インターホンに。

 がばっと勢いよく起き上がる。また鳴った。血管が膨張する感覚。力強く足音を立てながら玄関に向かう。

 扉を開けると、隣人のカップルが立っていた。

 男の方は細身の冴えない感じ。眼鏡をかけていて、緩いパーマのかかった髪は中途半端な長さ。たぶん手入れをしていないのだろう。
 
 女はケバい、可愛くない、頭悪そうの三拍子。死ねばいいのに。

「うるせえよ」

「あっごめんなさい」

 男が頭を下げる。女にも下げさせろよ。そういう意味を込めて、ぼくは舌打ちした。

 それにしてもこの男も馬鹿だ。どうやら迷惑だということに今気づいたらしい。五日経った林檎を食べて死ねばいいのに。

「で、なに」

「林檎って何日まで大丈夫だと思いますか」

「三日は際どい。普通に考えたらわかるだろ。五日経ったら死ぬのに」


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