過去ログ - 林檎が毒に変わるとき、それは即ち時間の経過
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5: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/25(木) 10:52:31.86 ID:ixs6WJ9M0
 女がわざとらしくため息をついた。ため息をつきたいのはこっちだというのに、どうにも立ち場を理解していないようだ。

「そう……ですか。でも、三日経ってるからって検査は酷いと思いませんかね。四日経ったわけじゃないのに」

「知らん死ね」

 ぼくはそう言って扉を思いっきり引いて閉める。そうして施錠して、チェーンをかけてからインターホンの電源を切った。

 急いで寝室に戻り、充電中の携帯電話を開く。

 番号を入力。三コール目に通じた。ぼくは名乗りもせず、相手の言葉を聴かず、いきなり話し出す。

「三日経った林檎を食わそうとして隣人が揉めてる。どうにかしてくれ」

「ああ、それは際どいですね。わかりました。住所、いいですか」

 住所と隣人の部屋番号を告げると相手は、ありがとうございますと言って電話を切った。これでいい。

 明日には静かになっていることだろう。きっと四日経った林檎を食べて。

 ぼくは再び眠りについた。


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