過去ログ - 林檎が毒に変わるとき、それは即ち時間の経過
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1: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/25(木) 10:37:46.97 ID:ixs6WJ9M0
 丑三つ時。予期せぬインターホンの音によって、静寂に沈んでいたぼくの意識は引き上げられた。

 心臓が跳ね上がる。頭が重い。どうやら、眠りについてからそう時間は経っていないらしい。頭を掻きながら思考の回復を待つ。

「インターホン……」

 呟いて、事実確認。カーテンの隙間から外を窺うと、当然、暗闇が広がっていた。後ろ髪を引かれたが、渋々ベッドから抜け出しそのままリビングへと向かう。

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2: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/25(木) 10:40:21.34 ID:ixs6WJ9M0
 リビングのテーブルに置きっぱなしだったペットボトルのキャップを開けて、水を呷る。半分ほどを呑み込んで、覚醒。

 夢だったか、時間からしてその可能性は高い。玄関の方に視線を向けてみたけれど、異常は感じられない。まあ内側から見ても異常なんてわかるわけはないのだが。

 最近眠りが浅いから、幻聴があってもおかしくはない。そう決めつけて寝室に戻ろうとすると、玄関の扉の辺りからカタカタと奇音が聴こえた。
以下略



3: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/25(木) 10:41:36.46 ID:ixs6WJ9M0
「なんすか」

 ぼくは不機嫌かつ不愉快さを隠そうとはしない。こんな奴らに気を遣うのは馬鹿らしかった。

 恰幅のいい男はぼくの気なんて関係なさそうに、にやけ面で応える。どうやらストリート系の男は取り巻きなようだ。
以下略



4: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/25(木) 10:46:31.27 ID:ixs6WJ9M0
 二人が廊下の角を曲がったのを確認してから、嘆息しつつ扉を閉めて施錠する。

 次きたら通報しよう。そう心に決めて、寝室に戻りベッドに横になった。

 ああ眠い。瞼を閉じると次第に身体が沈んでいく。意識は墜落直前。これくらいが心地いい。
以下略



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