過去ログ - ルナ「ルナのお友達になってくれる?」八幡「や、その友達とか良くわからないんで」
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◆SqZQSXA.b2
[sage saga]
2017/03/22(水) 02:12:06.67 ID:D32HDkJJ0
それから陽乃さんは、立ち去ろうとしていた。
時刻をみると、すでに夕方だった。
彼女が病室のドアに手をかけたところで、不吉な言葉を放つ。
陽乃「そういえば、比企谷君が意識を失ってから雪乃ちゃんと、ガハマちゃんがすっかり気落ちしちゃったんだよね。
ガハマちゃんなんて、後から説明したのに、私を止められなかった責任を感じているみたい」
おもむろに額に手をあてて、物憂げなため息をついてみせる陽乃さんは、諸悪の根源である。
八幡「雪ノ下さんが、なんとかしてください」
陽乃「もちろん、私からもフォローするよ。でも、あの子たちが欲しいのは、私からの言葉じゃないんだよねえ」
そう言い終わらない内に、陽乃さんの携帯端末が唸る。
陽乃「比企谷君のことを知らせたから、もうすぐ来るんじゃないかな」
彼女は端末を開きもせずに、言った。
...、陽乃さんが俺を精神的に成長させるために、今回の件を仕組んだとしたらと疑ってしまう。
だけど、それでも感謝はしよう。陽乃さんと、俺を変えてくれたら物語と登場人物に。
八幡「雪ノ下さんに、一つだけお願いがあります」
陽乃「ん?なにかな。珍しいね、わたしにお願いなんて」
八幡「あの子たちが幸せになれるエンドを、作ってほしい。
もし、一般人があれを売り出しても、ヒットしないと思います」
陽乃さんは、真顔でくるりと振り替えた。
陽乃「私も企業に掛け合っているところ。
プロデューサーがなかなかの難物で時間はかかるけれど、きっと作ってみせる」
自信に満ち溢れたその言葉に、安心した。
彼女なら、きっと叶えるだろう。
それが雪ノ下陽乃という、女性なのだから。
彼女が去った病室は、静かでほの暗かった。
だけど、これから夜にかけては、きっと騒がしくなるだろう。
比企谷八幡が、雪ノ下雪乃と由比ヶ浜由衣に話したいことはたくさんあって
彼女らもまたそれを貯めこんでいるだろうから。
やはり俺の青春ラブコメは間違っている。それが分かったのだから、今回の物語に意味があったと、強く思う。
おわり
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