過去ログ - 提督「傑作だなぁオイ。笑えるぜ」
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24: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:55:38.57 ID:J1uwhgey0
二二〇〇。補給部隊。
横須賀から出港して既に七時間が経過していた。
ずっと潜水艦に怯えていた速吸が、不安のあまりついに口を開いた。
速吸「群狼作戦って、ドイツがやってた通商破壊作戦ですよね?もうそれって私完全にアウトじゃないですか?」
五月雨「だから今護衛船団方式を採ってるんじゃないですか。あまり文句ばかり言わないでください」
五月雨が不安丸出しの速吸の発言にため息をつく。それでも一応安心させようとはしているらしかった。
五月雨の流れに乗って、暁も名取に聞いた。
暁「名取さん、どう?潜水艦いそう?」
今現在十五分毎にソナーを打ちながら船団は航行中。その間隙は聴音機でカバーしながらだ。
名取「んー・・・、まだ潜水艦みたいな反応は見当たらないですね・・・」
涼月「さすがにこんだけ駆逐艦がいるところには手を出しづらいのかもねぇ」
響「手を出しづらいからといっても、過去には船団が丸々壊滅に追い込まれたっていう記録もあるからね。まぁ、護衛船団の形をとれば大分その可能性も減るとは思うよ」
速吸「響さんの謎の追い討ち・・・」
五月雨「もう、響さん」
響「すまない、ちょっと悪戯したくなって」
速吸「これが軍隊によくある新人いびりってやつですか」
速吸が落ち込むのを五月雨と響が宥めるが、それでもやはり五月雨自身も不安は拭い去れないようだった。
五月雨「でもちょっと変ですね。もう潜水艦の一隻ぐらい見つけてもいいはずなのに」
名取「聴音機にもそれらしい音はないですし・・・」
長良「というか、五月雨がいった通りなら赤城さん達は待機はしてないって想定した方がいいんじゃ?」
五月雨「そうですね、その通りです。それは提督も言ってましたから」
秋月「なら水上レーダーを持ってる長良さんに水上捜索を頼むしかないってことですね」
長良「おーけー、じゃあ私は水上警戒しとくね」
速吸「皆さんがいなかったら今ごろ私はどうなっていたことか・・・」
五月雨「最初から私達が一緒に行くのは決まってたんですから、そのたらればは起こり得ませんよ」
速吸「なんか今日の五月雨さんいつもより淡々としてる気がします」
五月雨「作戦中に私情を挟もうとする速吸さんが落ちつきなさすぎです」
速吸「辛辣・・・」
当の五月雨も取り乱したりなど私情を挟んだことがある過去はなかったことになったらしい。
だが、精密機械というのは、的を射ているようで外れているのではないか。機械は、一つが故障すればもうそれきりなにもすることができなくなる。元に戻すには同じ部品を用意するしかない。ずっと同じ方法を選び続けるしかない。
人間なら、これがだめならばこれ、それがだめならばそれ、あれがなくなったなら今度はあれを、と最終的に完成の方向へ導こうとあらゆる方法を試し続ける。例え一部がかけても、柔軟に対応できる。
ここでやはり機械と人間の区分けというものは為されるものだ。例え一つの要素が欠けたところで、目標へ伸ばし続ける手の速度は変わらない、それが人間のたてる作戦なのだ。
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