過去ログ - 提督「傑作だなぁオイ。笑えるぜ」
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25: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:56:28.35 ID:J1uwhgey0
二四〇一。太平洋上。
長良が二隻の駆逐艦と思しき影を14km先にレーダーに捉えたのは日付変更時刻を越えてすぐだった。
五月雨「戦艦ですか?」
長良「ううん、今やっと反応が出てきたところだから、駆逐艦だね」
五月雨「もしかしたら敵の哨戒艦かも「違う」
響「五月雨、あれは味方識別灯じゃないかい?」
五月雨が遠くに微かに見える灯りを斯界に捉えたその時、相手がこちらを認識したのか遠くから警笛が鳴り響いてきた。
五月雨「一体誰が・・・?」
補給艦隊は不安と警戒をかかえながら、その音と光の方へ向かい続ける。
しかしその緊張も十分もすれば氷解した。
空母機動部隊に随伴していた時雨だったのだ。
時雨「皆ッ、どうしようっ、どうすればいい!?」
時雨が叫びながら五月雨の方へ近づく。
その様子に驚きつつも、五月雨が努めて冷静に返す。
五月雨「時雨、大丈夫。潜水艦の脅威ならさっき提督に「違うって言ってるじゃないかッ!」
だがその冷静さが、逆に今の時雨を苛立たせた。
時雨が声を荒らげて五月雨の声を遮る。
あまりの剣幕に何事かと他の皆も時雨を見た。
時雨「白露がッ、白露がぁっ・・・」
怒ったかと思えば、今度は大粒の涙を流し、時雨が必死に訴える。
その腕に抱かれているものがあると気づき、五月雨がそちらへ視線を向ける。
柔軟な発想があっても、執念があっても、機械と人間で決定的に違う点がある。
歯車、要素に対する認識の違い。それが欠けたら、機械は取り替えれば良い。だが、人間は。感情を持つ人間は。
人間は、そうは行かない。
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