13: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:13:33.45 ID:FC6wSZy00
この時、まゆの頭の中は、困惑と驚きで満たされていた。決して怒っているなどということはない。
自分がなんとも間の抜けた返事をしてしまったことすらも記憶に残っていない。
14: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:14:28.44 ID:FC6wSZy00
「でも乃々ちゃん、とっても可愛いですから、きっとアイドルとして成功できますよ?」
もちろん本心からの言葉である。それと、もう少し自信を持ってほしいという思いも込めて。
15: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:15:29.96 ID:FC6wSZy00
そんな会話をしていると、まゆのレッスンの時間がやってきてしまった。
乃々は契約やら書類やらでプロデューサーを待たなくてはいけないらしい。
16: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:16:26.88 ID:FC6wSZy00
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遡って数分前・事務所の扉前
17: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:17:24.87 ID:FC6wSZy00
ここまで連れてきてくれた、隣に立つプロデューサーを名乗る男が言っていた。既に所属しているアイドルは1人だけだ、と。
人と関わるのが得意でない少女は、それを聞いて少し安堵した。
18: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:18:04.11 ID:FC6wSZy00
扉が開いた時、そのアイドルはファッション雑誌を読みながらソファに腰掛けていた。
こちらを一瞥して、雑誌を置き、歩いてくる。
19: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:19:02.45 ID:FC6wSZy00
「乃々ちゃんですか、素敵な名前ですねぇ。仲良くしてくださいね」
相手の顔は見れないが、ニュアンスに怒りやいらつきの感情は含まれていないようだ。少し安心した。
20: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:19:56.16 ID:FC6wSZy00
……と、思いきや、まゆは
「お茶を用意するので、少し待っていてくださいねぇ」
21: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:20:36.01 ID:FC6wSZy00
お茶を飲むと心が落ち着く。
少なくともさっきまでのような緊張からは解放されていた。
22: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:21:51.37 ID:FC6wSZy00
当たり前だ。
ここにいる以上、"アイドルになりたい"という感情が標準装備であると思われてしまうのは。
23: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/08/27(土) 00:22:54.13 ID:FC6wSZy00
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さて、まだ乃々は駆け出しも駆け出し。
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