394:名無しNIPPER[saga]
2016/12/25(日) 22:47:19.00 ID:WZRWBcW7o
『それでは続いて、新婦のご友人からご挨拶を頂いちゃいましょう♪』
楽しげな茄子の言葉に、場の雰囲気が一変する。
それまでの和やかながらも厳かだった空気は緩み、囁きが零れ出す。
これから始まる一幕こそが、アイドルの披露宴なのだ。
蘭子の父、新郎の母――
よく見れば列席した親族達すら、期待に満ちた肩を弾ませている。
『まずは元ご同僚の、二宮飛鳥様からご挨拶です♪』
「いつでもいけるよ」
通り一遍の挨拶をする気など微塵も感じられない、尖りきったスタイルだった。
独特のファッションはより洗練され、アンプへ繋いだギターを挨拶がてらにかき鳴らす。
招待席へ紛れていた飛鳥のファンが歓声を上げた。
「蘭子。これはキミ達二人だけへ贈る、自身初となるラブソングだ」
ぱちりと指を鳴らし、会場の照明が絞られる。
スポットライトを浴びて、飛鳥は静かにギターを構えた。
「結婚おめでとう。聴いてくれ――『二度と離すな』」
参列者たちが配られていたサイリウムを折り、一斉に立ち上がった。
432Res/238.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。