35:名無しNIPPER[saga]
2016/09/01(木) 19:43:31.93 ID:zsoczlY00
果南「あれ、ちょっと顔色戻ってきたね。もうしばらくしたら歩いて帰れるかな。」
ダイヤ「すみません、迷惑かけて…。」
鞠莉「そんなこと言わないでよ。ダイヤには普段お世話になってるんだから。」
ダイヤ「ふふっ、自覚があったんですの?」
鞠莉「なっ…!?」
果南「あはは!冗談が言えるなら大丈夫そうだね。じゃあ、私たちは練習に――」
反射だった。気づいたら、果南の練習着の裾をぎゅっと握っていた。
果南「だ、ダイヤ…?」
ダイヤ「あ、こ、これは…、なんでもありませんわ!早く練習に行ってきなさいな!」
鞠莉「ひょっとして寂しい?」
ダイヤ「……。」
果南「ダイヤ?」
ダイヤ「あ、あの、その……。」
違う。ここは大声で否定するところだ。それで、鞠莉がさらにからかってきて、果南はそれを見て大笑いして…。
結局、3人で抱き合ったりして。そんな日々を、この教室で過ごしてきたはずだった。
なのに、言葉が出てこない。代わりに出てきたのは、変につぶれた空気だけ。
ダイヤ「…っ、ふっ、ぐっ…!」
滲む視界で目に入ったのは、口をぽかんと開けた鞠莉の顔。
あんまりにも気の抜けた顔に笑ってやりたかったが、おかまいなしに滴が頬を伝う。
鞠莉「だだだだだだダイヤ!!??なななななんで!?なんで泣いてるの!?」
果南「まままままま鞠莉いい!!おおおお落ち着いて!!!」
鞠莉「ほ、ほら大丈夫、鞠莉どこにもいかない!!ね、ね!果南!!」
果南「もちろんもちろん!!どこにもいかない!ずっとここにいる!!ほらハグ!ハグしよおおおお!!」
ダイヤ「…っ!…っぐぅ…!」
ダメだ。涙が止まらない。その上、こんなにふわりと温かく抱きしめられてしまったら。
果南「ほら、どこにもいかないから、ね?」
鞠莉「そうそう、来ないでって言っても、ついていっちゃうんだから。」
ぼんやりした意識で聞こえたのは、そんな2人の優しい声だった。
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