過去ログ - 君の名は。 もう一度出逢う
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4:saga
2016/09/05(月) 23:09:39.49 ID:xnnNaHcHO
***

車窓から見える景色は次々と後方へ流れていく。
建物も人も地面も全部が投げ捨てられて、気づけば時間が凍りついた山間の景色だけが残されたままであった。


「はじめまして。三葉さんとお付き合いをさせて頂いています。立花瀧と申します」
形通りの挨拶が口をついて出る。
「あらまあ。遠い所までよく来たねぇ」
三葉の婆ちゃんに挨拶しに行きたい。と言い出したのは俺の方だった。


「今日はこの後どうするね?」
「えっと、そうですね、ここに来るまでに色々見れたので、そろそろ宿に戻ろうかと思います。」
「あぁ、そうかい、気をつけないよ」
糸守町の少し端に三葉の婆ちゃんは住んでいた。
5年前、確かに俺はこの街に妄執にも似た感情を抱いていた。
この街には何かがある。実際に訪れれば何かあるかも、と期待しなかった訳はない。
糸守の景色を見る事で失われてた記憶が復活するとか、お助けキャラが現れてヒントを出してくれるとか。そんなフィクションみたく都合の良い事は起こらなかったけれど。




ただ、長い歳月を経て復興を進める街を見ると、少しだけほっとした。






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