705:名無しNIPPER[saga]
2016/10/23(日) 23:19:37.39 ID:vwx1JBxi0
未央「……しまむー、あのゆびわ星人ってのだけじゃないよ」
卯月「っ!」
未央の零した言葉に卯月は息が詰まった。
卯月も気付いている、そしてそれを言った未央も気付いていた。
未央「しぶりん、あの人にしか見えない宇宙人を……多分殺しちゃったんだと思う」
卯月「……はい」
未央「点数採点のとき、しぶりんの様子おかしかった……多分あの人たちを殺しちゃって……苦しんでたんじゃないのかな?」
卯月「……それも、私達の為に、ですよね」
二人とも自分が人の姿をした宇宙人を殺してしまったらと考えて、背中に冷たいものが走る感覚を覚える。
恐らくものすごく悩んで苦しんでしまうと思う、二人ともそうやってあの時の凛がどんな気持ちでいたのかを考えてしまう。
卯月「……私だったら、すごく悩んで、押しつぶされてしまうかもしれないです」
未央「……私も、そうだと思う」
人の姿をした宇宙人、人と変わらない生き物を殺すという事。
それがどれだけ心に負担をかけるか、想像するだけでも二人は気を落とす。
そうして、二人は俯いたままの状態でいたが、卯月がぽつりと言葉を零す。
卯月「……このままじゃ、駄目です」
未央「……このままって?」
卯月「凛ちゃんに守ってもらってばかりなのは駄目です」
未央「……しまむー」
卯月「守ってもらってばかりで、何もできないのはもう嫌なんです」
卯月が思い出すのはあの新宿の事件。
自分を庇って撃たれた未央の姿が鮮明に蘇る。
卯月(もうあんな事は絶対に起きちゃ駄目……)
卯月(このままだと、凛ちゃんがあの時の未央ちゃんのように、私のせいで……)
未央の姿と凛の姿が重なるようにして赤い記憶がはじけた。
卯月は脳裏に浮かんだその光景を、頭を振ってかき消す。
そして卯月はベンチから立ち上がり、未央を見据えながら言った。
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