961:名無しNIPPER[saga]
2016/11/13(日) 16:44:36.96 ID:mvxo5hdO0
離れた位置から見ていた和泉は吉川の動きを見て奥歯を割れるくらい噛み締めていた。
あの時考えた、凛の動きを見て考えてしまった思考をまた自分はしている。
自分よりもこの男のほうが上。そう考えてしまった和泉は、周りの炎の熱を凌駕する勢いで心身が煮えくり返っていた。
自分に対する怒り。この世界で、戦いの場において、凛にも玄野にも、そしてこの男にも劣っているかもしれないという可能性。
和泉はその考えを否定すべく、湧き上がる感情をそのまま剣を構える。
和泉「俺は……貴様等なんぞに……負けんッッッ!!」
極限までに高ぶった感情は、和泉に未来予知のごとき洞察力をもたらした。
吉川の背後でかすかに発生したゆらぎ。
炎の熱で人の目には捉えることもできないゆらぎ。
そのゆらぎを和泉は感じ、その場所に和泉は全力の居合いの一撃を振りぬいた。
「ガァッ!!」
吉川「何ッ!?」
背後から突然聞えた呻き声。
吉川が振り向くと、そこには顔だけが宙に浮いた大男の姿。
その左目が切り裂かれて、目から炎が巻き起こっている。
吉川の正面から和泉が繰り出した抜刀は、吉川の目でも捉えられなかった神速の抜刀。
その剣は確かに大男を捉え、大男は自分に一撃を喰らわせた和泉に目をやるが、和泉の姿はすでに地上には無く。
和泉「おおおおォォォおおおぁぁぁぁああああああッッッ!!!!」
「ぬ、うおぉッ!!」
再び大男が和泉の姿を捉えたのは、大男の口に剣を突き刺し、剣が大男の首を貫通したのと同時だった。
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