過去ログ - モバP「白菊ほたると一輪の笑顔」
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4: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 12:45:53.46 ID:QSjMH8mi0
顔合わせのとき、ほたるちゃんは自分を指して不幸体質だと言った。
人を巻き込み不幸にして迷惑をかけてきたのだと、彼女は申し訳なさそうに言葉を紡いだ。
俺は首を傾げた。どこに因果関係があるのか理解できなかったから。
白菊ほたるの移籍が決まったのは二週間前。彼女の所属していたプロダクションの倒産が発表された直後である。
彼女の経歴は実績よりも、移籍の多さに目を引かれる。どれも在籍期間が短いのだ。一般的には敬遠されがちな経歴だが、誰も彼女を責められない。
アイドル白菊ほたるの在籍したプロダクションは、すべて移籍後一年以内に倒産している。小さなプロダクションの倒産は珍しくない。
しかし、三度も倒産に立ち合うとなれば話は変わる。
彼女に暗い噂がつきまとう所以だった。災厄や不幸を呼ぶなんて揶揄は、世間話程度にだが、俺の耳にも届いている。
まあ、ほぼ間違いなく、前プロダクションの関係者が流布したのだろう。嫌がらせか、あるいは本気なのかは判断に困るところだが。
経営能力のなさを責任転嫁するプロダクションだ。遅かれ早かれの違いはあっても、きっと結末は変わらない。
ある意味で、ほたるちゃんは不幸だった。経営の傾いたプロダクションに、救世主として向かい入れられたのだと推測できる。
その傾きはとうに転覆を待つしかない状況だったとも。
つまるところ、白菊ほたるのせいで倒産したのではなく、倒産するプロダクションが彼女を欲したのだ。
今回の移籍が証明している。このプロダクションはわけもなく、行き場のないアイドルを引き取るほど優しくない。
最大手には最大手たる理由があり、実績と審美眼がある。
ほたるちゃんは認められた。
それが答えだろう。
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