過去ログ - 【ガルパン】マタニティ・ウォー!
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844:KASA[saga]
2017/03/03(金) 18:31:23.62 ID:hHgJqTuT0
アンチョビさんの着ている病院着──の股間に、じわりと赤い染みが広がる。水水しく今までみたどんな赤色よりも赤かった。
初めはサクランボほどの大きさだったそれは、直後急激に拡大し、リンゴほどの大きさまで広がる。そして今度は、一転、ぴたりと拡大を止める……
全員が硬直する。
けれどしばらくそこに留まっていた赤リンゴは、ある瞬間に飽和し、直後絵具を垂らすように、すーっと、右足へと赤い汁を──。
アンチョビさんは、石造のように硬直したまま、その一部始終を見おろしていました。


ペパロニ「──ドゥーチェ!」

ペパロニさんの悲鳴とともに。。
カルパッチョさんは内線電話に突進し、他に者はアンチョビに駆け寄る。
ペパロニさんだけがアンチョビさんの身体に腕を添えようとした、が──

アンチョビ「──触るなっ!!」

受話器にむかってわめいていたカルパッチョさんでさえ思わず振り向くくらいの、切迫した金切り声。
みんなぎょっとする。

ペパロニ「ドゥーチェ?」

かすれた声でペパロニさん。
アンチョビさんには聞こえていない様子。
アンチョビさん、ゆっくりて股間に手をあてがう。
指先で血にふれようとしている?──いや、違う。
それはまるで、そこにある「何か」を確認しようとしているような──


みほ(──!!!)

直観的に理解させられて、みほ、戦慄する。

アンチョビさんの手は今や股間を覆っている。
そこにある『固形物』の、
そのたしかな重みを、
手の平で感じようとするように──

ペパロニさんの顔は、アンチョビさんの顔を同じくらいに真っ青になってる。
その場にいた全員の顔が凍りつく。

アンチョビさんが焦点の合わない目をしながら小さく呻く。


 た、す、け、て……


震えながらゆっくりと腰をおとして、がくりと膝をつく。
がそのままオシリを下ろそうとは決してしない。膝で半立ちになったまま──

みほ(……違う)

みほ(アンチョビさんは今──)

 ──座、れ、な、い、ん、だ──

全てを理解した時、みほは全身の血が足元に流れ落ちていく音をハッキリときいた。


「皆で支えてください!!!」

ペパロニさんの悲鳴の意味を、誰もが瞬時に理解した。
全員でアンチョビさんを囲み、肩に、脇腹に、腹部に、腕を回す。
アンチョビさんの身体を前のめりに倒させる。
ペパロニさんは、アンチョビさん腰に後ろから手を回し、しっかりとささえる。アンチョビさんの腰が、絶対に落ちないように。
いやまアンチョビさんの身体はぶるぶると震えている。皆で支えなければ──今にも崩れ押してしまいそうなほどに。

「お医者様がすぐここに来ます! ……ひっ……ドゥーチェ!!!」

センターの人達が駈けつけるまでの2分50秒。
それが長かったのか短かったのか、そんなことはもうわからない。
ただただ一心に、アンチョビさんの無事を祈った。

それと同じく、口にはせずどもその場にいた何人かはこう考えていたと思う。

──次こそはは自分なのかな──

みほもまた──。


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