過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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35:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 16:48:43.02 ID:ROM1DOs8o


澪「ほら。まったく、次からは忘れないようにな?」

唯「はぁい・・・ごめんね、迷惑かけて」

澪「・・・」


いつも通りに怒っただけなのに、私は少しの間、言葉に詰まった。胸の内をぐるぐると考えが巡る。
私が怒らなくても幼馴染の和さんが怒っただろうか。
いくら唯が悪いとはいえ、出過ぎた真似だっただろうか。
それに・・・せっかく唯に好かれつつあるのに、怒ったりなんかして嫌われないだろうか。
いや、でも悪い事は悪いと誰かが言ってあげるのも大切な事のはずだ。部活ではそれは私の役だったはずだ。
出過ぎた真似だったかもしれないけど、間違った事はしていない・・・はずだ。


澪「・・・大丈夫だよ、次からちゃんとしてくれれば。あと今日中にちゃんと返してくれれば」

唯「それはもちろん返すよ!任せといて!」

澪「たったそれだけの事で胸を張るなよ・・・唯らしいと言うか何と言うか。ふふっ」

唯「いやぁ、えへへ・・・」

澪「ほら、行こう、唯」

唯「うん!」


怒りはしても、最終的には唯には笑っていて欲しい。そう思ってしまう私は、どこか甘いのかもしれない。
けど、さっきまで唯に会う事に不安を覚えていた反動だろうか、こんないつものやり取りと唯の笑顔が何よりも尊いものに思えた。
大丈夫だ、きっと私は間違っていない。きっと。





でも、謎は残っている。
唯がいつも通りなのはわかった。ただ、唯にどこまでバレているのかがわからない、という朝からの謎は未だハッキリしていない。
そして、何故唯はいつも通りなのか、という事も謎といえば謎だ。夢の世界で何かしらの説明は受けたはずなのだから。
とはいえ私にはそれを唯に直接尋ねる勇気はない。今日が終わってから黒唯に尋ねるとしよう。
唯としてではなく黒唯として、あるいは彼女として答えてもらおう。ダメだったら・・・まあ、諦めようか。
そんな事を考えながら一時間目の授業を受け、休み時間になった。
授業中は切っている携帯電話の電源を入れる。自動でいくつか受信したメールの中に、唯からのものがあった。


  From 唯
   sub 澪ちゃん!
     添付ファイルなし
  ==========
   ちょっと廊下に来て〜!
   (オネガイの絵文字)
                    』

メールの時間を確認するより先に、反射的に廊下に目を向ける。
見慣れた髪が見えた気がして、私はそのまま席を立った。



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