過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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47:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 17:13:17.06 ID:ROM1DOs8o
律「さて、そろそろお参りに行くか?」
唯「あ、ちょっと待ってりっちゃん。ちょっとだけここで待っててもらえないかな?」
律「ん? 別にいいけど、トイレか?」
唯「ちょっと澪ちゃんにお話がありまして」
澪「えっ、私?」
紬「あらあら?」
唯「うん。一緒に来て?」
澪「えっ、えっ?」
私の返事も待たず、唯は私の手を取り、人の流れに逆らう方向に小走りで駆けだした。
晴れ着の私を気遣ってだろうか、そのペースは非常に遅い。
しかもそんなに長く走るわけでもなく、すぐにちょっとだけ脇道に逸れ、僅かに人の少ない所で立ち止まる。
澪「どうしたんだ、唯。話って?」
唯「うん、えっとね、あまり人の多いとこで言うようなことでもないんだけど」
澪「まあ、それは察してるけど」
唯「でもせっかくカミサマの前だし、こういうのもいいかなって」
澪「・・・?」
唯「・・・あのね、澪ちゃん。私、澪ちゃんのこと、好きなんだ」
澪「えっ・・・」
頭が真っ白になった、という表現がピッタリだろう。
唯が私を意識してくれている事は知っていた。嬉しい事だと思っていた。
なのに告白された今、何も考えられないでいる。
嬉しいはずなんだ。喜んでいい事のはずなんだ。私も唯を好きなのだから。両想いという事なのだから。
それでも喜べず、それどころか何も考えられないのは・・・単にタイミングが悪いからだろう。
私が正解を見つけ出せていない、このタイミングなのがいけないのだろう。
唯「あ、返事は今じゃなくていいからね。でも澪ちゃんが良ければ、お参りの時に私達二人のこともカミサマにお願いしてほしいなぁって思って、一緒に」
澪「な、なんで、告白・・・」
唯「・・・ダメだった?」
澪「だっ、ダメなんかじゃない!けど・・・」
唯「・・・澪ちゃんのほうが、私のことを長く想ってくれてたんだよね? だから告白する時は私のほうからするべきかなぁって」
何も考えられなかった頭がようやく回り出す。
私が尋ねたかったのは理由ではなく、「なんで今なんだ」という事だ。でもそれを唯に言うわけにはいかない。嬉しい事なんだから。
そうだ、だってそれは私の勝手な都合。一人で勝手にずっと悩んでいたせい。
そう、そのせいで・・・こんなタイミングで告白を受けてしまった。私は・・・それをもったいないと思っている。
もったいない。そうだ。唯が勇気を出して、気を利かせてくれたロマンチックな告白を、私はこんな心境で受けている・・・
もったいないし、それ以上に何より唯に申し訳ない。その勇気にも心遣いにも、今の私は応えられない・・・!
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