過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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48:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 17:13:55.32 ID:ROM1DOs8o


澪「・・・ごめん、唯・・・」


罪悪感が、口を衝いて出た。勝手に。私の意志とは関係なく。
唯の困惑する顔が目に入る。違う、そうじゃないだろ私。唯を困らせてどうする。悪いのは私なんだ。


澪「違っ、違うんだ唯。気持ちは嬉しいし、私もそうなりたいと思ってる。ただ、その・・・悩んでるんだ、私」

唯「・・・悩んでる? 何に?」


説明しないわけにもいかないだろう。唯の不安を取り除くためにも。
なるべくわかりやすく、シンプルに。


澪「・・・唯と付き合うということは、憂ちゃんから唯を奪うことなんじゃないかって。寂しい思いをさせてしまうんじゃないかって」


そう思うと、一歩が踏み出せない、と。そう伝えた。
長く悩んではいるものの、言葉にしてみるとそう長いものではないんだな。なのに私には、どうすればいいのか――


唯「その考え方だと、私はりっちゃんから澪ちゃんを奪うことになるのかな」

澪「・・・えっ?」

唯「そうなるよね。確かにりっちゃんを悲しませるのは、私も望まないよ」


いや、違う。違うはずだ。
だって、その件についてなら私の中で結論は出ている。


澪「・・・唯は、そこに悩む必要はないよ。私と律の関係なら、変えないように私が努力するから」

唯「じゃあ、私と憂の関係も私は変えないよ。澪ちゃんが悩む必要はないよ」

澪「・・・」

唯「・・・」


あれ?
もしかしてそれだけの話なのか?


唯「それに、私も澪ちゃんと付き合ったとしてもりっちゃんやムギちゃんと仲良くしなくなるわけじゃないし」

澪「・・・私も、憂ちゃんと仲良くすればそれで済む・・・のか?」

唯「そうだよ。私たちが付き合っても、みんながみんなと仲良くすれば何も問題はないよ」


皆を大切にする。それは、誰とも仲良くなれる唯らしい理想論。
だけど、少なくとも唯ならその理想を一切疑わず苦もなく叶えるだろう。
そして私もそんな未来を望んでいる。唯の作り出す未来を。
同時に、そんな人間になりたいとも思っている。皆を大切にし、誰とも仲良くなれる人間になれたらいいなと思っている。
だったら・・・それで済む問題なのだろう。


澪「・・・まったく、唯らしいというかなんというか。でも確かにその通りだな」

唯「澪ちゃんは意外と頭が固いよねぇ」

澪「うっ・・・」


確かに、結局は黒唯に言われた通り、律の時と同じ結論で済む事だったのだ。単に私が唯の気持ちを想像できないくらい頭が固かっただけで。
悩みを明かす時の恥ずかしささえ上回るくらい、自分の視野の狭さが恥ずかしい。
でも、今回の件で改めて思った。私に見えていない正解を容易く導き出す唯は、やっぱり素敵だ。



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